アソートとは?


アソートとは、アソートのメリットやデメリットなどを解説

アソートとは、多様な要素を意図的に組み合わせ、特定の目的やニーズに合わせて最適化する概念です。アソートは、物流業界においては、顧客の注文に応じて商品を効率的に仕分け、組み合わせ、梱包するプロセスを指し、多種多様な商品を扱うEC市場において、その重要性は増しています。

アソートは、単なる詰め合わせではなく、効率性、正確性、顧客満足度を追求する戦略的な手法であり、物流の最適化、顧客体験の向上、競争力の強化に不可欠な要素です。本記事では、アソートピッキング、アソートのメリット、アソートのデメリットなどを解説していきます。

アソートとは

アソートとは

アソートとは、主に「詰め合わせ」や「仕分け」を意味し、業界によって異なる使われ方をします。物流業界では、倉庫や物流センターで入荷・出荷時に商品を分類・組み合わせ、注文通りに梱包する作業を指します。

アパレル業界では、ブランドやサイズ、デザインなどを考慮した商品構成を意味します。お菓子業界では、異なる種類のお菓子を組み合わせたパックを「アソート」と呼びます。また、スノーボード業界では、ランダムなカラーの組み合わせを示す場合にも用いられます。

業界別のアソート

業界別のアソート

アソートは、業界によって意味合いが異なります。

・物流業界
物流業界では、商品の入荷から出荷に至るまでの一連の仕分け・梱包作業を指します。具体的には、入荷した商品を種類や保管場所ごとに仕分け、出荷指示に基づいて複数の商品を組み合わせ、梱包する作業です。

・アパレル業界
アパレル業界では、商品の品揃えや構成を意味します。ブランド、サイズ、デザイン、色、素材、価格などを考慮し、顧客ニーズに合った商品構成を決定することを指します。

・食品業界
食品業界、特にお菓子業界では、複数の商品を詰め合わせたものを指します。様々な種類のお菓子を一つのパッケージにまとめた「アソートパック」などが代表例です。

・スノーボード業界:
スノーボード業界では、商品の色の組み合わせを指すことがあります。特に、ソールカラーが複数存在する商品において、色の組み合わせがランダムになる場合に「アソート」と表現されます。

アソートピッキング

アソートピッキング

アソートと密接に関わるのがピッキング作業です。ピッキングとは、出荷指示に従って倉庫から商品を取り出す作業であり、アソートの前段階として行われます。ピッキング方式には、大きく分けて「摘み取り方式」と「種まき方式」の2種類があります。

・摘み取り方式
注文ごとに商品を取り出す方式で、「シングルピッキング」や「オーダーピッキング」とも呼ばれます。多品種少量出荷に適しており、顧客ごとの細かいニーズに対応できます。

・種まき方式
複数注文の商品をまとめて取り出し、後で注文ごとに仕分ける方式で、「アソート式」とも呼ばれます。少品種多量出荷に適しており、作業効率を高めることができます。

▼ピッキングについて詳しくはこちら

ピッキングの種類

ピッキングの種類

ピッキング作業には、様々な種類があります。

・リストピッキング
ピッキングリストを見ながら手作業で商品を取り出す、最も基本的な方法です。

・デジタルピッキングシステム(DPS)
デジタル表示器の指示に従って商品を取り出す方法で、作業効率と正確性を向上させます。

・バーコードピッキング
ハンディターミナルでバーコードを読み取り、指示に従って商品を取り出す方法で、誤出荷を防止します。

・音声ピッキング
音声指示に従って商品を取り出す方法で、両手を自由に使えるため、作業効率が向上します。

・カートピッキング
カートに表示された情報に従ってピッキングする方法で、直感的に商品を特定し、迅速かつ正確なピッキングを実現します。

・RFIDピッキング
RFIDタグを利用して商品情報を読み取りピッキングする方法で、ハンズフリーで正確かつ効率的なピッキングを実現します。

アソート注文とは

アソート注文とは

アソート注文とは、物流業界における商品発注方法の一つで、商品の組み合わせを指定せずに発注することを指します。例えば、Tシャツを複数色組み合わせて100枚発注する場合、「ランダムに色を組み合わせて100枚」とする注文方法が該当します。

アソート注文のメリットは、卸売業者や小売店が仕入れ価格を抑えられる点にあります。一方で、商品の詳細な組み合わせを指定できない点がデメリットです。アソート注文は、ランダム注文とは異なり、意図的に商品を組み合わせることを意味します。

アソートのメリット

アソートのメリット

アソート作業を適切に行うことで、物流現場に様々なメリットをもたらします。

・効率的な出荷
注文ごとに商品を組み合わせることで、出荷作業の効率化が図れます。特に、多品種少量出荷の場合、個別にピッキングするよりも時間と手間を削減できます。

・誤出荷の防止
アソート作業中に商品の組み合わせや数量を確認することで、誤出荷を防止できます。特に、デジタルピッキングシステムやバーコードピッキングなどを併用することで、ヒューマンエラーを大幅に削減できます。

・顧客満足度の向上
正確かつ迅速な出荷は、顧客満足度向上に繋がります。特に、ECサイトでは、顧客は商品の到着を心待ちにしているため、正確なアソート作業はリピーター獲得にも繋がります。

アソートのデメリット

一方で、アソート作業にはデメリットも存在します。

・作業スペースの確保
アソート作業には、商品を組み合わせるための作業スペースが必要です。特に、扱う商品が多い場合や、大型商品を扱う場合は、広い作業スペースを確保する必要があります。

・作業員の教育
アソート作業には、商品の種類や組み合わせに関する知識が必要です。作業員への教育や研修を十分に行わないと、誤出荷や作業効率の低下に繋がる可能性があります。

・システム導入コスト
デジタルピッキングシステムやバーコードピッキングなどを導入する場合、システム導入コストが発生します。特に、大規模な倉庫や物流センターでは、導入コストが高額になる場合があります。

アソートとランダム注文の違い

アソートとランダム注文の違い

アソートとランダム注文は、商品の組み合わせ方において明確な違いがあります。アソートは、意図的に商品を組み合わせる行為であり、物流業界では注文に応じて商品を仕分け、組み合わせ、梱包する作業を指します。

一方、ランダム注文は、商品の組み合わせを特定せずに発注する方法であり、卸売業者や小売店が仕入れ価格を抑えるために利用されます。例えば、Tシャツを複数色組み合わせて発注する場合、色を指定せずに「ランダムに色を組み合わせて100枚」と注文する方法が該当します。

アソートは計画的な組み合わせを意味し、ランダムは無作為な選択を意味するため、両者は異なる概念です。

まとめ

アソートとは、元々「詰め合わせ」を意味する言葉ですが、物流業界では、入荷した商品を種類や保管場所ごとに仕分け、出荷指示に基づいて複数の商品を組み合わせ、梱包する一連の作業を指します。

アソートは、業界によって意味合いが異なり、アパレル業界では商品の品揃えや構成、食品業界では複数商品を詰め合わせたもの、スノーボード業界では色の組み合わせなどを指します。

物流におけるアソート作業は、ピッキング作業と密接に関わり、摘み取り方式や種まき方式など、効率的な出荷を実現するための様々な手法が存在します。

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年間700万個出荷の物流を扱う関通が日々現場で蓄積している、「すぐマネできる」改善ノウハウをご紹介しています。

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