クロスセルとは?


クロスセルとは
クロスセルとは、顧客に対して購入を検討している商品と一緒に関連商品の購入を促す営業手法のことを指します。購入する商品数も増えるので顧客単価のアップやリピート率のアップにもつながります。

しかし、顧客のニーズの読み間違いやすすめるタイミングを見誤ることで顧客の購買意欲を低下させてしまうこともあるので注意が必要です。
今回はクロスセルの概要やクロスセルを実施するメリット、デメリット、クロスセル導入の成功事例、またアップセルとの違いなどお伝えしていきます。

クロスセルとは

クロスセルとは
クロスセルとは、購入する商品とそれに関連する商品を一緒に購入してもらえるように促すこと営業方法です。
ECサイトで購入をしようとすると、「あなたへのおすすめはこちら」などのコメントとともに商品を紹介されたことはありませんか?

タブレット購入時に画面保護フィルムの提案がされたり、スーパーでジャガイモやニンジンを購入しようとすると同じ棚にカレールーが一緒に陳列されているなど、生活の中ではさまざまな方法でクロスセルが行われています。

クロスセルとアップセルの違い

クロスセルとアップセルの違い
クロスセルと似た言葉に「アップセル」があります。購入する商品や購入したことのある商品に対しての関連商品が提案されるクロスセルに対し、アップセルは購入しようとする商品のさらに上のモデルや品質の商品の購入を促す営業方法です。

例えば、Sサイズのコーヒーを購入しようとする人に対してMサイズのコーヒーをおすすめし購入につなげることをアップセルと呼びます。
どちらも顧客単価をあげるための手法ですが、売る商品数を増やすのか、商品数は変わらずグレードをあげ顧客単価を上げるのかという違いがあります。

クロスセルのメリット

クロスセルのメリット
クロスセルを行うメリットには次のようなものがあります。

1)顧客単価アップ

クロスセルでは1つの商品だけでなく、関連商品も共に購入してもらうため、顧客単価を上げることが出来ます。

2)リピート率アップ

商品購入権当時に顧客満足度の上がる商品をクロスセルで、提案することができれば顧客満足度が上がります。自分に必要なものを提案してもらえることで顧客の満足度だけでなく、企業に対しての信頼感も高まります。顧客との間に信頼関係を築くことができれば、顧客の自発的なクロスセル、アップセルに繋がりリピート率も上がります。

3)顧客ニーズの把握ができる

クロスセルを成功させるには、顧客ニーズを理解した的確な商品提案が必要です。
顧客に対し、さまざまな提案を行うことでニーズ検証や分析が可能です。

クロスセルデメリット

クロスセルのデメリット
クロスセルのデメリットには次のようなものがあります。

1)過剰にすすめれば信頼関係を損なう

顧客単価を上げようと、やみくもに商品提案を行ってもクロスセルが成功しないだけでなく、顧客との信頼関係も損なってしまいます。しっかりと顧客のニーズを把握したうえで、必要な商品をおすすめしていきましょう。

2)購買意識の低下

関連商品も購入してもらおうと次々に提案してしまう、提案のタイミングが合っていない、顧客の状況を把握せずやみくもに提案するなどが続くと顧客の購買意欲の低下につながります。購買意欲が低下すると元々購入予定だった商品さえも未購入になってしまう可能性があります。また、クロスセルで単価が上がったことで購入を躊躇されることもあるので注意が必要です。

クロスセルの始め方

クロスセルの始め方
クロスセルの始め方をみていきましょう。

1)顧客データの整理と分析

まず初めにクロスセルを行う対象者の精査を行いましょう。むやみやたらに誰でもクロスセルを仕掛ければ成功するわけではありません。
自社商品に関心の高い顧客の抽出やどんな顧客が何を購入する確率が高いか分析していきましょう。
商品ごとの関連性や顧客ニーズを明確にすることでクロスセルの成功につながります。

2)クロスセルの戦略を練る

顧客データの分析からクロスセルを行う対象者にどのように商品を進めていくのかを決めていきます。
おすすめする商品やそのタイミングなどが購入につながるかどうかの決め手になるため慎重に考える必要があります。

3)クロスセルの導入

戦略を設定したら、顧客にクロスセルを提案していきましょう。
顧客目線に立った提案が必要なためマニュアルの準備やスタッフ育成が必要です。
また単に営業の延長ではないことをしっかり意識しておきましょう。

4)実施と改善

実際に顧客に提案を行った後は、実施結果をもとに検証を行いましょう。今回の結果を受け良かった点、改善する点を洗い出し、次回の戦略設計に落とし込みましょう。
実施や改善を繰り返すことで成功につながり売上アップにも貢献できます。

クロスセルの成功事例

クロスセルの成功事例
クロスセルの成功事例を見ていきましょう。

1)ファーストフード

ファーストフードのクロスセルといえば、ハンバーガーを頼むと言われるこの言葉「ご一緒にポテトはいかがですか?」ではないでしょうか。
ハンバーガーのみで終わる可能性のあるお客様にポテトなどのサイドメニューを提案して客単価を上げていきます。
また、セットメニューを準備してこれを購入してもらうことにより、客単価のアップにつなげます。

2)ECサイト

商品ページに、よく一緒に購入される商品を提案する手法が使われています。商品をカートに追加した際に、関連商品を割引価格で提案し顧客の購買意欲を上げています。
結果、顧客単価アップと売上拡大につながっています。

3)携帯電話

携帯電話を販売する際に携帯電話だけでなく、それに合うケースや画面保護シールなどの提案、新たなプランへのアップグレードやサービスの加入などを利用してクロスセルを行います。携帯電話の新規契約時だけでなく機種変更時にも同様にクロスセルを行い、顧客単価アップを行っています。

まとめ

クロスセルは、対象の選定や顧客のニーズ、顧客の状況をしっかりと把握したうえでの商品提案が大切です。売り上げアップにつなげようと、ただやみくもに商品提案を行うだけではクロスセルの成功につながらないだけでなく、顧客との信頼関係を築くことができません。
また、購買意欲の低下を招いてしまう可能性もあります。
顧客の求めるものを求めるタイミングでしっかり提案していくことでクロスセルの成功につながります。提案しただけで終わりではなく、検証と改善を行い売り上げアップにつなげていきましょう。

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年間700万個出荷の物流を扱う関通が日々現場で蓄積している、「すぐマネできる」改善ノウハウをご紹介しています。

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