RFIDとは?
RFIDとは、
商品についた「タグ」とそのタグを読み取る「装置」の間で電磁気を更新させて、
非接触で情報の読み書きができるシステムです。
RFID技術は、従来のレーザースキャンによるバーコード読み取りを一新しました。
電波を利用することで、複数のタグを一度にスキャンし、効率とスピードを大幅に向上させます。
今回は、RFIDの特徴や、メリット、デメリットなどを踏まえてRFIDの基本についてご紹介していきます。
RFIDとは
RFIDとは、Radio Frequency Identificationの略で、商品にバーコードの代わりに電子情報を記憶した「RFタグ」を貼り付けます。
このタグは、専用の機械で非接触で読み取ることができ、便利でスピーディーなスキャンが可能です。
RFIDは、電波を使って情報を保存・発信できるシステムです。
物流分野だけでなく、日常的に使用する電子IDや電子マネーなどにも利用されています。
これにより、効率的で便利なデータ管理が可能になります。
最近では、アパレルショップなどでも利用されています。
RFIDの種類
RFIDは大きく「通信方式」「周波数」「アクセス」「読み取り」
の4つによって種類が異なります。
◎通信方式
・電磁誘導
リーダーのアンテナコイルとタグのコイルを用いることで発生する磁界に
情報をのせて送受信する方法になります。
※近距離で利用されます
・電波
リーダーとタグそれぞれに通信用の変調器を用い電波を利用することによって、
リーダーからタグへデータを転送します
※長距離通信が可能です
◎周波数
・LF
Low Frequencyの略で周波数は135KHz以下と周波数が低い(波長が長い)周波帯になります。
他の周波帯に比べると古くから使用されていますが、通信距離は数十センチと短く、アンテナの小型化も困難なため徐々に使用されなくなってきています。
・HF
High Frequencyの略で周波数は13.56MHzと短波の使用しています。
そのため通信距離は短めで、主にパッシブ型のRFIDで使用されています。
・UHF
Ultra High Frequencyの略で周波数は860~960MHzと極超短波を使用しています。
通信距離が5~10メートルと長く、遠くにあるタグまで一括で読み取れるため、
もともと携帯電話などに使用されていました。
2006年1月の電波法改正により、RFIDの利用が拡大し、業務効率の向上が進んでいます。
・マイクロ
周波数は2.45GHzでUHFに属する周波帯ですが、日本国内ではアマチュア無線に利用されているため、RFIDには利用されていません。
しかし、海外では主にアクティブ型のRFIDで使用されています。
◎アクセス
・リードオンリー
タグに情報を書き込む事ができない、読み取り専用のアクセス方式です。
・ライトワンス
最初の一回のみデータの書き込みが可能なアクセス方式です。
・リードライト
何度も読み取りと書き込み(変更、追加、消去)が可能なアクセス方式です。
◎読み取り
・タグトークファースト
リーダライタから電波を受信した時、RFIDが先にデータを送信する方式です。
・リーダートークファースト
リーダライタから送信指示を受信すると、RFIDが情報を送信するため、
送信指示が来るまでデータの送信は行わない方式です。
RFIDの特徴
ここではRFIDの特徴について紹介していきます。
◎複数のタグを一括で読み取れる
通常であれば、商品バーコードを読み取る際、
1点1点商品の読み取りを行わなければいけないので、
手間と時間が掛かってしまいます。
RFIDは、商品のバーコードを1点1点スキャンする必要がなく、
専用のスキャナーをかざすだけでタグを一括で読み取る事が可能です。
◎遠い距離でも読取が可能
通常であれば、高い位置にある商品は脚立をしようしたり、
商品を読み取るたびに商品を下におろす手間などが発生します。
RFIDであれば、高い位置にある商品のも脚立等を使わず読み取ることが可能です。
◎箱の開封をせずにタグが読み取れる
RFIDは、箱を開封しなくても箱の上から専用スキャナーをかざすだけで
バーコードの読み取りができるので、作業効率の向上に繋がります。
◎使用環境を気にせず使える
例えば、タグの上にテープが貼り付けられていたり、
汚れが付着していてもタグの情報を読み取ることができるので
使用環境を気にせず使用する事ができます。
◎耐久性が高く、長期間使用できる
RFIDのタグは半導体で構成されており、その特性から長期間にわたって使用可能です。
特にパッシブ型のRFIDタグは電池を必要とせず、周囲のリーダーからの電波で動作します。
また、RFIDタグは内部にデータを保持しており、必要に応じてデータの書き換えが可能です。
RFIDの導入に必要なもの
RFIDの導入に必要なものは、RFタグ、リーダライタ、そしてアプリケーションです。
RFタグは電波を利用してデータを非接触で読み書きする情報媒体であり、リーダライタは電波を用いてタグのデータを非接触で読み書きする端末です。
ハンディや定置式などのタイプがあり、使用環境に合わせて適切なものを選択します。
アプリケーションは、情報の履歴確認や更新、削除などを行う役割を果たします。
これらの要素を組み合わせることで、RFIDシステムを構築し、効率的な在庫管理や業務改善を実現することができます。
RFIDタグの仕組み
RFIDタグの仕組みは、ICチップと金属製のアンテナから構成されています。
ICチップにはデータが記録され、アンテナは電波を受信し、ICチップに電気を供給します。
これにより、ICチップは情報を信号化し、アンテナを介して電波を発信します。
この電波には、ICチップに記録された情報が含まれています。
RFIDリーダーが電波を発信すると、RFIDタグのアンテナがこれを受信し、ICチップが電気を受け取ります。
ICチップは受け取った電気を使って情報を読み取り、アンテナを介して電波を発信します。そして、RFIDリーダーがこの電波を受信し、タグに記録された情報を取得します。
RFタグのメモリ領域
RFタグのメモリ領域は、主に4つの領域で構成されています。
まず、EPC領域ではICタグを一意に識別するためのEPCコードが格納されます。
次に、USER領域ではユーザーが自由に書き込みや読み取りが可能です。
また、TID領域にはタグ固有のIDが登録され、RESERVED領域にはAccess PasswordやKill Passwordなどの重要な情報が保存されます。
これらのメモリ領域を適切に管理することで、RFタグの機能やセキュリティを確保することができます。
RFIDの仕組み
RFIDの仕組みは、RFIDタグと専用のRFIDリーダー(読み取り機)を使っています。
まず、RFIDリーダーから電波を発信し、それをRFIDタグ内のアンテナが受信します。受信した電波によってRFIDタグ内の電気が流れ、情報が信号化されます。
その後、RFIDタグから信号化された情報が発信され、RFIDリーダーがこれを受信してデータ処理を行います。
このようにして、RFIDシステムでは無線通信を介してタグとリーダーが相互作用し、情報の読み書きが行われます。
RFIDの価格
RFIDの価格は導入時にかかるコストが重要なポイントです。
一般的に、RFIDタグやカードの価格は1枚あたり5〜10円程度ですが、プリンターやリーダーなどの専用機器の価格は50万円前後が一般的です。
さらに、ソフトウェアやアプリケーション、周辺機器のコストも考慮する必要があります。
特に、金属にタグを貼り付ける場合は、金属対応タグの追加費用も発生します。
導入コストの他に、ランニングコストも重要であり、これらの費用を含めて総合的に判断することが必要です。
RFIDとバーコードの違い
RFIDとバーコードの大きな違いは、情報の読み取り方です。
RFIDは無線通信で情報を読み取ります。
タグは主にアクティブ型とパッシブ型に分かれ、その読み取り方法も異なります。
◎パッシブ型
バッテリーが内蔵されていない「パッシブ型」であれば
リーダライタ(情報を読み書きする機械)から発信さえた電波が動力源となり、
メモリ内にある情報を電子信号として発信します。
RFIDシステムでは、タグから発信される電子信号をリーダライタが受信し、情報を読み取ります。
この読み取られた情報は、上位システムに保存され、必要に応じてデータの閲覧や処理が行われます。
電波を受信できる距離は数センチとされており、比較的短いですが、
受信と発信の距離を変えることが特徴としてあります。
◎アクティブ型
アクティブ型のRFIDタグには内蔵されたバッテリーがあり、自ら電波を発信します。
この発信した電波はリーダライタによって受信され、タグに格納された情報が読み取られます。
電波通信可能距離が1~100メートル以上と比較的広く、
人や物など動くもの使用されるケースが多いのが特徴としてあります。
一方でバーコードは、スペースとバーの太さによって表記された情報を、
バーコードリーダで読み取ります。
RFIDのメリット
RFIDの最大のメリットは、業務効率をアップさせられることです。
バーコードは、一度に1つずつスキャンする必要があり、これにより時間と手間がかかる特性があります。
RFIDであれば、複数の商品情報を一括で読み取ることが出来るので、
商品の入荷時や、検品、棚卸時の負担も軽減することができます。
また、RFタグ(商品情報が内蔵された数ミリ程度の記憶媒体)は
オンリー型とライトワンス型、そしてリードライト型の3種類があり、
それぞれの種類によってデータの書き込み、書き換えが可能となります。
・オンリー型…データの追加書き込みができません
・リードオンリー型…1度だけデータを追加で書き込むことができます
・リードライト型…何度でもデータを書き換えることができます
RFIDのデメリット
RFIDには、いくつかのメリットがありますが、やはりデメリットもあります。
RFIDを使用するのに、専用のデータせーす管理用PCや専用読み取り機器、
データを読み込むためのRFタグが必要となるため、
RFIDはバーコードよりも高価です。そのため、初めから導入するコストが高くなります。
また、RFIDのデメリットは、時に商品の情報を読み取れないことがあります。
その場合、問題のRFタグを見つけるのが難しいことです。
RFIDを導入すする際は、作業ルールをしっかり決めておくことをおすすめします。
RFID活用事例
今回はアパレル会社でのRFID活用事例をご紹介します。
◎商品の検品作業
従来のバーコードであれば商品についたタグを1枚1枚読み取る必要がありました。
ですが、商品に電子タグ(RFID)を埋め込んでおくことで、
1枚づつ商品を読み取る必要がなく、
複数タグを一括で読み取ることが可能となります。
そうすることで、作業の効率化や作業時間の削減を実現することができます。
◎在庫管理
一般的な棚卸しは、商品についたタグを1枚1枚読み取る必要がありますが、
RFIDを使うことで段ボールに入ったまま商品情報を読み取ることができます。
また、商品を購入した際、RFタグを認識させることで「商品が○点減った」
ということも情報化してくれるため、現状在庫をリアルタイムで確認することができます。
皆さんがなにげなく利用している、箱に物を入れただけで購入が完了できる
無人のセルフレジもRFIDの仕組みが取り入れられています。
\\株式会社関通でもRFIDを導入しています!//
https://www.kantsu.com/news/2998/
まとめ
・RFIDの最大のメリットは、業務効率をアップさせられること
・複数のタグを一括で読み取れる
・箱の開封をせずにタグが読み取れる
・使用環境を気にせず使える
RFIDには、それぞれメリットとデメリットがありますが、
ルールを統一し正しい工程で作業を行っていれば、
商品管理がスムーズになり作業効率化を実現することが出来るので、
ぜひ導入を検討してはいかがでしょうか。
▼その他のロジスティクスについて詳しくはこちら
https://www.kantsu.com/case/cat/logistics/
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年間700万個出荷の物流を扱う関通が日々現場で蓄積している、「すぐマネできる」改善ノウハウをご紹介しています。