物流システムとは
商品や資源の効率的な流通と配送を管理するためのシステムです。
物流は、生産から消費者への製品の移動や保管、流通、在庫管理などを含みます。
物流システムは、これらのプロセスを効率化し、最適化するために使用されます。
今回は物流システムの種類・メリットやデメリットをご紹介いたします。
物流システムとは?
物流システムとは、輸送・保管・荷役・包装・流通加工の5つの物流における基本的な活動を、それぞれ効率化もしくは、ひとまとめにし、最適化をおこなうシステムのことです。
物流システムは、部品や資材の取引業者や生産拠点、工場、物流倉庫、顧客納入場所などを一元管理し、在庫、入出庫管理・配送管理の効率化を実現し、それらの物流をシステムで管理します。
▼そもそも物流とは?
物流とは│物流の機能や種類、ロジスティクスの違いについてご紹介
物流システムの種類
物流システムの範囲は広くなっており、多種多様な選択肢があります。
物流システムを構成・関連づけるアプリケーション、システムをご紹介します。
①WMS(倉庫管理システム)
WMSとは、倉庫管理システム(Warehouse Management System)の略称で、倉庫への貨物、資材、商品の入出庫管理や在庫管理などの機能を搭載したシステムです。
WMSは、入出荷・保管といった倉庫における「庫内物流」の正確性とスピードアップを実現する仕組みです。
WMSについて、詳しい記事はこちら
②TMS(輸配送管理システム)
TMS(輸配送管理システム)とは、物流企業が所有している輸配送に使用されるトラックの移動データやトラックの配車を管理し、輸送に使用される経費の管理や燃料代の管理をオンライン上で行うことができるシステムです。
TMSについて、詳しい記事はこちら
③運行管理システム
運行管理システムは、輸配送を行う車両の運行状況を可視化し、配車、ルートの最適化を行うシステムです。
CO2排出量削減や、燃料費削減に効果があると言えます。
④貨物追跡システム
貨物追跡システムは、輸配送中の貨物を消費者がその状況をリアルタイムで把握することができるシステムです。
物流におけるSCEM(Supply Chain Event Management)を効率良く行うために、情報をいかにリアルタイムで取得できるか重要なポイントとなります。
⑤物流ロボットシステム
情報などのデータの共有化はシステムにより進んでいますが、物流現場ではまだまだ人が介在しています。それらでの生産性向上や省人化のための自動化・ロボット化(RPA活用など)が進められております。
またAGVやAMRもその一つとなります。
⑥EDI
EDIとは、Electronic Data Interchangeの略で、通信回線を使用して、コンピューター間でやり取りを行い、プロトコルに基づいて、企業間の商取引データを交換するもので、全銀やJCAなどの従来の電子取引プロトコルとインターネットを活用したプロトコルが搭載されています。
物流システムのメリット
物流システムには、流通全般において様々なメリットがあります。
①コスト削減
システム化することで、生産性の向上と、コストダウンが可能となります。
あわせて、属人化された業務をシステム化することで、未経験のスタッフでもすぐさま作業にはいることで、人材の確保、育成にメリットがあるといえます。
また、どこにコストがかかっているのかも可視化され、収益性の向上も図れます。
②物流業務の可視化
物流システムを使用することで、商品の発送から納品までの、進捗、在庫を管理することができます。
モノの流れ(=物流)をリアルタイムで把握することで、正確な進捗状況や在庫を理解し、消費者だけでなく、関係企業も商品の追跡を行うことが可能になります。
③品質の向上
リアルタイムでの把握ができることで、消費者からの問い合わせなどに、すぐさま対応できます。
また在庫を抱えている企業にとって、先入れ先出しのルールや出荷可能日付などの他頻度少量納品での対応も可能となります。
物流システムのデメリット
物流システムにはいくつかのデメリットが存在します。以下にいくつかの一般的なデメリットを示します。
①導入コスト
物流システムの導入には、ソフトウェアやハードウェアの購入、カスタマイズ、トレーニングなどのコストがかかる場合があります。特に中小企業にとっては、これらのコストが負担になる可能性があります。
②運用の複雑さ
物流システムは複雑なシステムであり、導入と運用には熟練したスタッフや専門知識が必要です。システムの設定やトラブルシューティングに時間と労力を要することがあります。
③データの正確性と信頼性の依存
物流システムは正確なデータ入力と更新を必要とします。データの欠落や誤りがあると、システム全体のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。また、システムの信頼性にも依存するため、システムの停止や障害が発生した場合には物流プロセスに支障が生じる可能性があります。
④カスタマイズの難しさ
物流システムは企業の独自のニーズに合わせてカスタマイズすることが求められる場合があります。しかし、既存のシステムにカスタマイズを加えることは技術的な難しさやコストの問題が伴うことがあります。
⑤依存度の増加
物流システムの導入により、企業はシステムに依存することになります。システムの障害やメンテナンスによる停止時には、物流プロセスが滞る可能性があります。
これらのデメリットは、物流システムの導入を検討する際に考慮すべき要素です。企業は利点とデメリットをバランスさせ、自身のニーズと予算に合った物流システムの選択を行う必要があります。
まとめ
今回は、物流におけるシステムは、WMSをはじめ、幅広い機能をもったものもあれば、1つに特化したものなど、様々です。
自社に何が必要で、どういったシステムがあうのかをしっかりと検討し導入を進めましょう。
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年間700万個出荷の物流を扱う関通が日々現場で蓄積している、「すぐマネできる」改善ノウハウをご紹介しています。